故郷の祭り(2002年11月)
故郷の祭り
可憐なリンドウが咲き始めた9月下旬、故郷の友達と大分県の久住山に登った折り、「山川こいこいまつり」が11月10日に中学校のグランドであるから参加するようにと、誘いを受けていたので出かけた。
この祭りは秋の収穫祭を町民参加型として行なわれるもの。広場にはステージが設けられ、町の唯一の伝統芸能「面浮流」が披露された。集落の青年達が頭をすっぽり被さる面を着け、両手に棒をしっかりと握りながら金・太鼓の囃子にのって踊る姿は五穀豊饒を祝うかのようだ。集まった町民約2000人が大きな拍手を送る。地方の伝統芸能が後継者不足などで廃れていく中、継承してもらいたいものだ。このほかには文化サークルによる創作手芸や絵画・書道の発表、地場産品の紹介などがあっていた。また、集落毎に作った品を持ちより販売するコーナもある。例えば川魚の甘露煮、ハギレを利用した創作人形、家庭菜園の花など。何れの品も他の集落に負けないようにと工夫されている。
祭りの最大のイベントは「お牧山ハイキング」である。ハイキングは郡内最高峰のお牧山(標高405m)に登るもので、距離は5km。参加者は1500人以上。老若男女が仲間とお喋りしながら、黄色に実ったミカンを眺めて農道をゆっくりした歩調で登る。途中、地元の人々が湯茶の接待やミカン、キウイの差し入れをしてくれる。休憩を兼ねての湯茶の一杯は格別美味しい。1時間少々で山頂へ着いた。山頂広場では地元の人々の手作り料理「だんご汁」が提供され、青竹に清酒を入れて暖められた「かっぽ酒」はなかなかの好評であった。食事をとりながら眼下に広がる有明海、その洋上に浮かぶ雲仙岳を眺めて一時を過ごした。ほどよい汗と酒酔い気分で参加者は皆満足した顔であった。小生自身、田舎言葉と料理を体の髄までしみこませながら、旧交を暖めたり町内の動きなどの情報交換することができた。
「ふるさとの山に向かいて言うことなし ふるさとの山はありがたきかな」の詩をふと思い出した。
晩秋の楽しい一日であった。
2001.11.17